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令和7年度子ども・子育て支援調査研究事業 教育・保育施設等における骨折事故防止対策に関する調査研究事業

このたび株式会社日本経済研究所は、令和7年度子ども・子育て支援調査研究事業の国庫補助を受けて下記の事業を実施しました。調査にご協力くださった有識者の先生方、関係団体の方々に感謝を申し上げるとともに、ここに報告書を掲載します。

令和7年度子ども・子育て支援調査研究事業
教育・保育施設等における骨折事故防止対策に関する調査研究事業

  1. 事業目的
     教育・保育施設等で発生した死亡事故や重大な事故は、児童福祉法等に基づき国へ報告され、事故情報データベースとして集約・公開されている。近年、重大事故は増加傾向にあり、その約8割を骨折事故が占めている。一方、骨折事故は発生場面や要因が多様であるが、これまで骨折に特化した整理や分析は十分には行われてこなかった。
     本調査研究では、事故情報データベースを活用して骨折事故の背景や要因を分析し、防止策や初動対応の考え方を整理する。あわせて、教育・保育現場で活用しやすい教材を作成し、骨折事故の未然防止とこどもの安全確保に繋げることを目的とする。

  2. 事業概要
     本調査研究で主に以下を実施した。1つ目に、事故情報データベースに掲載された近年の骨折事故を対象に、概要情報、事故にあったこどもの状況、事故状況、事故発生の要因分析等の整理・分析を行い、年齢層や発生場所、活動内容、負傷部位等の傾向を把握した。2つ目として有識者へのヒアリングを実施し、数値で見えづらい教育・保育現場の実情や医療的知見と、骨折事故防止の着眼点や方策について意見を得た。これらを踏まえ3つ目として、教育・保育施設等で行う骨折事故防止の具体と、骨折が疑われる場合の適切な初期対応を整理した。その上で、現場で活用できるようポスター及び研修用資料を作成した。

  3. 事業実施結果及び効果
     事故情報データベースの分析から、教育・保育施設等における骨折事故は、年齢特性・活動内容等により、生じやすい一定のパターンを持つことがわかった。また、現状は設備等の管理体制や見守りに施設が一定程度注力しているにも関わらず、日常的な遊びや活動の中で転倒・衝突や遊具からの落下が起きていることが明らかになった。
     上記のデータベースの分析に加え、有識者ヒアリングを基に、骨折事故防止策については、運用や環境で「工夫・変更の余地があること」と「現状は工夫・変更が難しいこと」に分けて考え、前者に注力する方針を示すとともに、対策すべき具体内容をソフト面・ハード面で整理した。このことにより教育・保育現場において実施することが望ましい事故防止策の提示を行った。
     さらに、上記を踏まえ、教育・保育現場のための教材を作成した。教材は、職員が参照しやすいポスター形式と、研修の際に活用できる研修資料の2種類を作成した。これらが教育・保育現場で広く活用されることで骨折事故防止に繋がることが期待される。

本件に関するお問い合わせ

地域本部 医療・福祉チーム

TEL:03-6214-4610